🏠 ご依頼がありました空き家の事案
- APOすまいる合同会社
- 5月15日
- 読了時間: 3分
更新日:5月26日

今年3月、神奈川県内のある町の空き家に関するご相談を承りました。
ご相談者様とは、ちょっとしたご縁からの出会いでした。
2年前にお父様を亡くされ、昨年にはそのご実家の相続手続きが完了していたものの、「この不動産をこの先どうすればよいか…」と、活用や処分を含めた選択肢に迷われていたご様子でした。
賃貸をする場合の選択肢、具体的な賃料と維持費や管理などの見通し、売却する場合の方法や価格などについて、どこに相談すればいいかといった点についても明確な答えが見つからず、思案されていたようです。
💭 相談相手が「いない」という現実
空き家に関する相談は、誰もが経験するものではありません。ましてやご自身が相続人となって向き合うのは、人生でそう何度もあることではないでしょう。
情報過多による選択肢の氾濫。飛び込みで入る相談先への相談は望まない方向へ誘導されてしまうのではないかという不安などもあり、相談先の選定や判断の仕方にも慎重になり戸惑うこととなります。
ご相談者様もまさにそのような状況にあったようです。
ご両親との思い出が詰まったご実家をどうするべきか、悩みながらも冷静に現実を見据えておられる印象でした。
🔍 丁寧なヒアリングと情報整理
私たちは、まずご両親の生前の暮らしぶりをうかがいながら、相続された土地・建物の現状を確認し、空き家管理や活用手段、将来的な選択肢などを丁寧にご説明しました。とりわけ、「漠然とした不安や疑問点」を言葉にして整理することに、時間をかけて向き合いました。
想い出の詰まった場所を前に、気持ちが揺れるのは当然のことです。
しかし同時に、「このまま持ち続けて管理していくのは難しいかもしれない」という、現実的な一面も見つめておられました。
🏷️ 売却という選択と心の整理
その後のご相談の結果、最終的には売却を進めることとなり、媒介契約のご依頼を受けました。
建物は築年数こそだいぶ経過していますが、途中で増築されたこともあり、目立った修繕の必要はありません。
空き家となってからも、ご姉弟で敷地内の手入れや管理はしっかりされていたため、大切に想われてきたことが伝わってきました。
庭の木の選定、草を取る手、建物を拭く手。そのひとつひとつの動作の中に、ご家族の記憶が折り重なっていたのかもしれません。
この場所は、思い出とともにあるからこそ、次の一歩を踏み出すには時間が必要だったのでしょう。
🏡 空き家バンク登録と今後の展望
今回のご依頼に際し、物件は現状有姿での売却を前提に、「空き家バンク」への登録もおすすめしました。
空き家は、放置や管理されない状態になってからでは活用も難しくなります。
なかなか実行しにくい事ですが、目安として65歳を超した方で後に残す立場の方は、
「まだ元気だ!と思っているうちに、きちんと決めて伝え残しておくこと」が何より大切です。
相続される不動産には、残す側・受ける側それぞれに「想い」と「負担」があるのだろうと思われますが、残す方からのメッセージがないと、相続された方の心持は複雑な思いで交錯し、悩み事として尾を引きます。
だからこそ、気持ちを整理しながら、一緒に話し合える相談先の存在が求められているのだと、改めて感じました。
幸いにも今回のご相談物件には、登録公開後お問い合わせを戴いています。
ご依頼主のご意向に叶うよう努めているところです。
こうして1件1件、異なるご相談に触れながら、その土地や建物に込められた歴史や想いを、次の時代へつないでいけるよう努めてまいります。
空き家や相続不動産に関するご相談は、どうぞお気軽に当社まで。
小さな疑問でも、ひとつずつ一緒に解決していきましょう。